離婚後も姓(氏)を変更しない方法

さて、今回は前回の離婚届の中で触れた離婚後も夫の姓を名乗り続ける方法について紹介したいと思います。

Contents

離婚後の姓(氏)の選択

婚姻した時には、姓(氏)を夫か妻のものに合わせることになります。

一昔前は、婚姻時には妻が夫の氏に合わせるのが一般的でしたが、現代においては夫が妻の氏に合わせるというケースも増えてきたように感じます。

さて、婚姻時に氏を変更した人は、離婚時には婚姻前の氏に戻るのが原則となっています。

離婚後も婚姻中の姓(氏)を名乗るには「離婚の際に称していた氏を称する届」

離婚後も婚姻中の氏を名乗り続けたい場合があると思います。

例えば、離婚後に幼い子どもを引き取ることになった場合、親の姓(氏)が変更になることは子どもが可愛そうだと思われる親御さんも多いように感じられます。

その場合には、「離婚の際に称していた氏を称する届」を市区町村役場の戸籍係に提出する必要があります。

そうすれば、離婚後も婚姻前の姓(氏)に戻ることはありません。

逆に言えば、この届出をしないことには、離婚前の氏(姓)に戻ることとなります。

戸籍法

第七七条の二 民法第七百六十七条第二項(同法第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

以上のように戸籍法第77条の2に基づく届出のため、「戸籍法77条の2の届出」と呼称することもあります。

※参考 婚姻で姓(氏)を変更しなかった場合

婚姻で姓(氏)を変更しなかった場合には、離婚後も当然に今の姓(氏)を使用し続けることとなります。

ですので、改めてこの「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する必要はありません。

離婚の際に称していた氏を称する届の提出方法

「離婚の際に称していた氏を称する届」の専用の用紙は、市区町村役場で無料で手に入れることができます。

後述しますが、離婚届を提出する際に同時に提出できますので、離婚届をもらう際に一緒にもらっておくことをお勧めします。

届出人

離婚前の氏に戻さず、離婚後も婚姻中の氏を名乗りたい方

※確認ですが、婚姻によって氏が変更になっていない方は提出の必要はありません。

届出期間

離婚日から3ヶ月以内(離婚日の翌日から起算)

離婚届と同時に提出することをお勧めします。

届出先

届出人の本籍地、住所地、及び居所地

必要書類

離婚の際に称していた氏を称する届

予め記入して持参するか、届出の際に市区町村職員に記載方法を教わりながら記載しましょう。

本人確認書類

運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど

印鑑

シャチハタ印はやめましょう。

戸籍謄本

本籍地に提出する場合は不要です。

離婚届を同時に提出する場合には、離婚届の提出に必要な書類も必要です。

届出用紙の記載方法

届出日、宛先欄

届出日はこの届出を市区町村役場に提出する日付です。

宛先は届出を提出する市区町村役場の長です。

(例)静岡県菊名市長、名古屋市中区長など

離婚の際に称していた氏を称する人の氏名欄

この欄には離婚の際に称していた氏を称する人の氏名と生年月日を記載します。

ここに記入する氏は注意が必要です。

離婚届提出後の提出→婚姻前の氏名

離婚届と同時に提出→婚姻中の氏名

※生年月日は昭和○○年○○月○○日というように和暦で記入した方が良いでしょう。

住所欄

ここには、住民票に記載されたとおりに記載しましょう。欄が小さく戸惑うでしょうが、アパートやマンション名も記載します。

また、世帯主名も忘れずに記載しましょう。

(例)住所→三重県津市西丸之内23番1号 サンライズ三重301号

本籍欄

ここに記載する本籍、筆頭者も注意が必要です。戸籍の通り記載します。

離婚届提出後の提出→離婚後の本籍、筆頭者

離婚届と同時に提出→離婚前の本籍、筆頭者

氏欄

離婚届提出後の提出→(変更前)婚姻後の氏(変更後)婚姻中の氏

離婚届と同時に提出→(婚姻前)婚姻中の氏(変更後)婚姻中の氏

離婚年月日欄

離婚の年月日を記載しましょう。※和暦が好ましいでしょう。

離婚の際に称していた氏を称した後の本籍欄

離婚届と同時提出→記載必要あり

離婚届を過去に提出しており同籍者(主に子ども)がいる場合→記載必要あり

離婚届を過去に提出しており同籍者(主に子ども)がいない場合→記載必要なし

記載する場合には、筆頭者名は婚姻中の氏を称した届出人になります。

※この欄は、複雑な条件によって記載の有無が変わるため、提出先の市区町村役場職員に記載方法を聞きながら記載した方が確実です。

届出人証明押印欄

ここには、婚姻中の氏名で届出人が署名押印します。

連絡先記載欄

右下にある太枠内です。記載を忘れがちですが日中連絡がつく電話番号を記載しましょう。

欄外届出印欄

ここに届出印(捨印)を押印しましょう。届出ようしによっては欄が無いものもあります。その場合には、欄外に捨印を押しておくと良いでしょう。

離婚届と同時に提出する場合の注意事項

離婚届とこの届出を同時に提出する場合には、離婚届用紙中の「離婚前の氏に戻るもの本籍」欄の記載は必要ありません。空欄にしておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか?今回は、離婚後も婚姻中の氏を名乗り続けたい場合には「離婚の際に称していた氏を称する届」(戸籍法77条の2届)が必要になるということを紹介しました。

もしご不明な点がありましたら、提出先である市区町村役場の職員に問合せいただいてから提出されることをお勧めします。

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